理事長

HER-SELF 女性の健康プロジェクト 理事長 白河桃子

白河桃子 / Touko Shirakawa

昭和女子大学 客員教授
相模女子大学大学院 特任教授
東京大学 大学院情報学環客員研究員

プロフィール

東京生まれ。慶応義塾大学文学部卒業後、住友商事などを経て執筆活動に入る。内閣官房「働き方改革実現会議」有識者議員、内閣府男女局「男女共同参画会議専門調査会」専門委員などを務める。著書に『ハラスメントの境界線 セクハラ・パワハラに戸惑う男たち』(中公新書ラクレ)など25冊以上がある。

理事長からのメッセージ

HER-SELF 女性の健康プロジェクトの理事長を拝命いたしました、相模女子大学特任教授の白河桃子です。

今コロナで世界中の女性が危機を迎えています。コロナで明らかになったのは、まだまだ女性は、社会的に不平等な課題を抱えているということです。

女性の皆さんに言いたいのは、コロナの中、あなたは頑張ったということ。そして自分が思うより心や体が痛んでいるので、サボったり、休んだり、辛かったら誰かに助けてと言ってほしいということです。

私はジャーナリストとして女性の仕事、ライフキャリアやジェンダー問題全般をテーマとしてきました。女性の働く期間は非常に長くなり、共働き家庭は 7 割をこえ、同時にシングルマザーと子供の家庭の貧困率は先進国の中でも突出しています。

今年はジェンダーギャップ指数 121 位で、日本より後ろにある国はイスラムの国です。そして日本の女性の睡眠時間は OECD 諸国の中では一番短いのです。 このような国で女性に「頑張れ」というだけでなく、みんなで女性たちの Well-being を推進しようという皆様が集まってくださり、本当に嬉しく思っております。

女性の生きやすい、働きやすい企業は、男性にとっても、高齢者にとっても、病気や障害を抱える方にとっても、若い世代にとっても働きやすい、魅力的な会社です。

全ての人の Well-being をまず女性という切り口から着手する。なぜなら、女性についての課題は、他の課題との相乗効果が高いからです。母親の健康へのリテラシーが高くなれば、子どもの健康も守れます。ぜひ多くの企業の皆様にもご理解いただき、この取り組みを広く進めていきたいと思います。

一つお願いしたいのは、女性がいつも生産性高く、ニコニコ機嫌よく、感じよくいなければいけないというステレオタイプを取り払っていただきたいということです。

今まで女性の健康といえば自助に頼る部分が多かったのですが、辛い時は辛いと誰かに相談できる、休みたい時に休める、助け合いの風土がある、そんな共助の場が、企業だけでなく地域でも学校でもあってほしいと思っています。また不妊治療の助成や、産後うつの防止のためにパートナーが男性「産休」を取れることなど、公助のさらなる支援も政策課題として求められています。

私たちの活動が、女性の健康という課題を通して、誰もが生きやすい社会への一助となることを強く願っております。